
猫の健康のためにと導入した「給水器」。
流れる水でたくさん飲んでくれるはず…と期待したのですが、実際に使ってみると掃除の大変さや停電時の不安など、思わぬ問題が見えてきました。
私自身、40年近く猫と暮らす中で「給水器をやめた」経験があります。やめた理由は大きく3つ。
停電時に使えないこと、手入れが面倒で衛生管理が難しいこと、そして災害や外出時にかえって不便だったことです。
では、給水器をやめてから猫はどうなったのか?結論から言えば、シンプルな水皿と工夫次第で十分に水を飲んでくれています。
本記事では、私が給水器をやめたリアルな理由と、代わりに取り入れた工夫を詳しくお伝えします。
給水器は必須ではありません。

猫の給水器をやめたきっかけ
最初は「便利そう」と思って導入した
私が猫の給水器を買ったのは、「流れる水は猫がよく飲む」と聞いたからでした。
40年近く猫と暮らしてきた中で、水分不足が体調に直結することを何度も経験していたので、少しでも飲んでくれるなら…と期待したのです。留守中でも水が減らない安心感もあり、「これは便利だ」と感じて導入しました。
使ってみて感じた違和感
最初の数日は猫も興味を示し、チョロチョロと流れる水を楽しそうに飲んでいました。
ところが、使い続けるうちに私は少しずつ違和感を覚えるようになりました。
違和感は掃除の手間、停電で使えないこと、そして災害時には使えないことです。
こうした違和感もあり、いろいろ考えた結果、「給水器をやめよう」と決断しました。
猫の給水器をやめた3つの理由
停電時に使えない不安
私が最も強く感じたのは、停電に弱いということです。
給水器は電気で水を循環させる仕組みなので、停電するとただの水入れになってしまいます。
もし、真夏のある日、外出中に停電になり、エアコンも止まり、水も飲めなくなったら…と考えてみてください。
また、普段から流れる水に慣れてしまった猫が、災害時に急にボウルの水だけを出されても飲まない可能性があるのです。
防災を意識するようになってから、「非常時にも対応できる生活習慣を猫と作っておく」ことが大事だと思うようになり、給水器は不安要素にしか見えなくなりました。
掃除やメンテナンスが大変
次の大きな理由は掃除の手間です。
給水器は一見便利そうに見えますが、実際はポンプやフィルター、タンクなど部品が多く、分解して洗う必要があります。
水道水のカルキや猫の毛、フードのかけらなどで、すぐにぬめりが出てしまうので、毎日のようにしっかり洗わなければ不衛生になってしまいます。
私はもともと猫の水皿を毎日洗うのが習慣でしたが、給水器はその比にならないくらい大変で、続けるのが苦痛になりました。
一度、日の当たる所に給水器を置いてしまい、フィルターに虫が発生してしまったこともあります。

また、フィルター代も安くはありません。
かといってフィルターを交換しないと、水が汚れてしまいます。
災害時や外出時に対応しづらい
最後の理由は、非常時に役に立たないという点です。
例えば地震や台風で水道や電気が止まったとき、給水器はすぐに使えなくなります。
水をタンクに貯めておけるわけでもなく、むしろ「普段からこれに慣れてしまったら困る」と感じました。
また、外出時に給水器をつけっぱなしにするのも心配でした。
万が一倒れたり、水漏れしたりしたら危険です。
シンプルなボウルのほうが、災害時や留守中のリスクが少なく、結果的に安心だと実感しました。
給水器をやめた後の猫の様子
ボウルや皿で十分に飲んでくれる
「給水器をやめたら猫が水を飲まなくなるのでは?」と心配する人も多いと思います。
私も最初はそうでした。
ですが、実際にやめてみると意外なほどすんなり受け入れてくれました。
むしろ、ステンレスや陶器のボウルに入れた水をこまめに交換することで、猫は安心して飲むようになりました。
水を複数の場所に置くことで、気づいたときに飲める環境を作ってあげられるのもポイントです。
猫が安心できる環境を整えるコツ
猫にとって大切なのは「流れる水」そのものよりも、いつでも新鮮な水があることです。
私は以下の工夫をしています。
- ステンレスや陶器など、清潔を保ちやすい器を使う
- 数か所に水を設置して、好きな場所で飲めるようにする
- 夏場は氷を少し入れて冷たさを保つ
- 毎日朝夕の2回は必ず器を洗い、新しい水に替える
これだけで、給水器を使わなくても猫は十分に水を飲んでくれます。
実際、私の猫たちは今も元気に過ごしており、特に体調を崩したこともありません。
給水器をやめた私が選んだ代わりの工夫
複数の場所に水を置く
給水器をやめてからは、家のあちこちにボウルを置くようにしました。
猫は気まぐれで、わざわざ遠くまで飲みに行かないことも多いものです。
そこでリビング、寝室、玄関近くなど、生活動線に沿って複数の水場を用意しました。
結果、猫が立ち寄ったときに自然と水を飲む回数が増えました。
こまめな交換と清潔管理
流れる水はなくても、新鮮さは毎日の工夫で補えます。
我が家では浄水器の水をあげているので、朝と夜に必ず器を洗って新しい水に替えています。(水道水から塩素が抜けているので比較的腐りやすいため)
夏場はぬめりが出やすいので、昼間も一度チェックして交換することもあります。
抗菌タイプの器はぬめりがつきにくく、清潔を保ちやすいのでおすすめです。
災害対策としての備え
給水器をやめたことで、防災面でも安心できるようになりました。
非常時のためにペットボトルの水をストックしておき、ボウルに注ぐだけで普段と同じ環境を再現できます。
電気が止まっても困らないシンプルさは、災害対策としても心強いポイントです。
給水器をやめた今振り返ると、「便利そうに見えて、実はリスクも多かった」と実感しています。
結局は、シンプルで管理しやすい方法が、猫と飼い主にとって一番安心できると気づきました。
まとめ
私が猫の給水器をやめたのは「停電時に使えない不安」「掃除の手間」「災害や外出時の対応しづらさ」という3つの理由でした。
最初は便利に見えても、続けるうちに不安や負担が大きくなり、結局シンプルな水皿に戻ったのです。
給水器をやめても、猫はしっかり水を飲んでくれます。
大切なのは「流れる水」でなく、いつでも新鮮な水がある環境を用意すること。
複数の場所に水を置き、器をこまめに洗って交換すれば、猫も安心して水を飲み続けてくれます。
そして、この方法は防災の面でも強い味方になります。
災害で停電や断水が起きても、ストックした水とシンプルな器さえあれば、普段どおりの水分補給ができるからです。
私自身、40年近く猫と暮らしてきて思うのは、結局はシンプルな方法が一番長続きするということ。
給水器をやめたことで、猫も飼い主も無理のない暮らし方に戻れました。
もし今、給水器に迷っている方がいれば、ぜひ「やめる選択肢」も安心して考えてみてください。
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