避難所で使える猫の軽量ソフトケージおすすめ4選

同行避難が前提のいま、避難所では“まず置けて、すぐ落ち着ける”ケージが安心の土台になります。
本記事はガイドラインの趣旨(逸走防止・衛生・周囲配慮)に沿って、持ち込みやすい軽量ソフトケージ4つを厳選しました。
重量・収納性・出入口の使いやすさを現場目線で比較し、徒歩避難/車移動の使い分けまでまとめました。

なぜ避難所用に“自前のケージ”が必要か

環境省制定の「人とペットの災害対策ガイドライン」を根拠に説明します。

  • 同行避難が前提
    国の災害対策では、飼い主がペットと一緒に避難し、避難所では適正に飼養・管理することが求められています。
    人と動物双方の安全を守るため、逸走(脱走)防止動物由来感染症・アレルギー対策は必須です。
    ケージはその“最小限の仕切り”であり、避難所での共生の土台になります。
  • 物資は足りない前提
    発災直後はケージやペット用品が十分に届かない・数が合わないことが一般的。
    自治体や支援団体から貸与があっても、需要に追いつかない/設置スペースが限られるケースは多く、各家庭が持参するのが最も確実です。
  • ストレス軽減と扱いやすさ
    環境が急変すると猫は強いストレスを受け、体調不良や問題行動が出やすくなります。
    いつものニオイが残る自分のケージ”は安心材料になり、飛び出し・ケンカ・誤飲を防ぎます。
    上から・横から安全に出し入れできる構造は、診察や清掃の作業負担も減らします。
  • 避難所運用の現実
    一般避難スペースとは別にペットエリア(もしくは同一区画内の分離ゾーン)を設ける運用が広がっています。
    そこで求められるのは、コンパクトに持ち込めて、短時間で設置でき、清掃もしやすいケージ。
    軽量ソフトケージは、この条件を満たしやすい実用品です。

まとめ
ガイドラインは「同行避難+適正飼養」を前提に、飼い主が自前のケージを持参することを暗黙の基本として想定しています。
まずは軽さ・収納性・作業性を満たす1台を決めて、家族の避難計画に組み込みましょう。

避難所で使える“軽量ソフトケージ”4選

全て折りたたみできるタイプです。

製品名画像重量使用時サイズ収納時サイズ天面開閉主な付属メモレビュー購入
猫壱「ポータブルケージ」1.76kg(公式)※0.5kgとの表記も約51×51×81cm直径30×厚さ11cm×収納袋/マット/ネームカード縦長トンネル型。トイレ同居レイアウトがしやすい4.2Amazon
アイリスオーヤマ「折りたたみソフトケージ」M1.36kg約67×56×46cm約48×48×6cmキャリングバッグ箱型で省スペース。上・前・側面の3面開閉4.4Amazon
リッチェル「たためる3WAYペットケージ 640」3.5kg約64×52×50cm約64×52×8.4cmリード取付可/給水器取付可 など多機能で安定感重視。やや重め4.4Amazon
PEPPY「たためるキャットケージ」4.2kg約62×64×50cm約62×63×7cmショルダーベルト/ネームタグ天面入口が広く出し入れしやすい4(1件)PEPPY

1. 猫壱「ポータブルケージ」——徒歩避難の本命

  • 強み:最軽量級&直径30×11cmまで小さく畳める。最軽量クラス。収納は“30×30×11cm”まで小さく畳めるため、非常用リュックに外付けもしやすい。目隠しカーテン付きで猫が落ち着きやすい。長方形で簡易トイレ同居のレイアウトがしやすい。
  • 弱み:天面開きは無し。診察や掃除は側面の大開口ロールアップで対応するとスムーズ。
  • レビュー:4.2(5659件)、「収納がコンパクトで使い勝手が良い」とのレビューが目立ちます。
  • こんな人に:徒歩避難を想定し、軽さと収納性を最優先したい人。
  • 重さについて:公式サイトには「1760g」と記載がありますが、Amazonでは「0.5 キログラム」と記載されております。
    この形状、材質のケージで1.76kgはありえ無いと思いますが、実際の重さは現時点分かりません。
  • まとめ徒歩避難の本命。上開きが不要なら最有力。簡易トイレが付いたセットもあります。

2. アイリスオーヤマ「折りたたみソフトケージ」M——バランス型の本命

  • 強み約1.45kgと軽め、天面+前+側面の3面開閉で出し入れ・清掃が楽。収納は48×6×48cmの薄型で持ち運びしやすい。内側は拭き取りやすく、衛生管理がしやすい。別サイズあり。
  • 弱み:箱型ゆえ床面積は最小限。トイレを中に置くならミニサイズ推奨。
  • レビュー:4.2(2528件)、「軽い」「メッシュ部が広く通気性が良い」とのレビューが目立ちます。
  • こんな人に:避難所区画が狭く、省スペース+作業性を両立したい人。
  • まとめ:軽さ・扱いやすさ・価格のバランスが良い万能型。初めての1台にも。

3. リッチェル「たためる3WAYペットケージ 640」——車移動前提で安定・多機能

  • 強み天面・前面ロールアップシートベルト固定、給水器取付可など“移動→設置”に強い装備。天面開きで世話もスムーズ。別サイズあり。
  • 弱み約4.2kgと重めで、徒歩避難では負担になりやすい。収納も薄いが面積は大きめ
  • レビュー:4.4(75件)、「広くて、しっかりしている」「車中泊に最適」とのレビューが目立ちます。
  • こんな人に車移動が前提で、設置後の安定感や多機能を重視する人。
  • まとめ車での広域避難や長期の据え置き運用に向く堅実モデル。

4. PEPPY「たためるキャットケージ」——設置後の快適性を重視

  • 強み天面開口が広く抱き上げ・清掃・投薬が快適。外側はっ水生地で手入れが簡単、ショルダーベルトネームタグなど実用的。
  • 弱み約4.2kgと重量級。徒歩避難の長距離には不向き。収納時は薄いが長辺が大きい
  • こんな人に:在宅〜避難所で据え置き時間が長い想定、世話のしやすさを優先したい人。
  • まとめ設置後の快適性を最重視するなら有力。車移動や在宅避難と相性◎。

迷ったらこの順

  • 徒歩避難最優先:①猫壱 → ②アイリス
  • 車移動・多機能:③リッチェル
  • 据え置きの快適性:④PEPPY
  • 初めてで扱いやすい:②アイリス(3面開きで作業負担が少ない)

避難所で“使いやすい”ケージの選び方

1) 軽さの目安

徒歩主体なら1.5kg前後までが快適ラインとなります。
2kgを超えると、他の荷物(猫用品+自分の非常袋)と合わせて負担が跳ね上がります。
車移動が前提なら2〜4kg台でもOK。
迷ったら“片手で持って10分歩けるか”を目安に。

2) 収納性(持ち込みやすさ)

受付や動線が混む避難所では、薄く畳めることが正義です。
折りたたみできて、持ち運びやすいタイプを選びましょう。

3) 出入口の設計(天面開きの有無)

天面開きありは、投薬・掃除・抱き上げが格段にスムーズになります。
上から静かにアクセスできるため、飛び出しやすい子のケアにも向きます。
天面なしでも側面の大開口がロールアップできると運用が楽です。

4) 置きやすさ(設置スペースとの相性)

  • 箱型:壁付けしやすく、省スペース。区画が狭い会場向き。
  • テント型:床面積は要るが、内部の可動域が広い。ベッド+水+トイレの同居レイアウトがしやすい。
    会場の混雑を考えると、まずは長辺を壁側に寄せられる形が無難。

5) 衛生・遮蔽(掃除とストレス軽減)

内側が拭き取りやすい素材(PVC等)だと清掃が早い。
メッシュ+カーテンの2層構造は、換気と目隠しを両立し、周囲の視線・音刺激を軽減できます。
床は吸水シート+薄手マットで分離すると汚れに強く、交換も即時。

ワンポイント:設置後に滑り止めマットを下に挟むと、通路側へズレにくく安全です。

よくある質問(FAQ)

Q1:2匹を同じケージに入れても大丈夫ですか?
原則として1匹ずつ入れるほうが安全に過ごせます。
避難所ではストレスが溜まりやすく、ケンカや脱走の危険性が高まります。
どうしても一時的に同居させる場合は、広めのケージを使い、短時間かつ目を離さずに見守ってください。
相性が悪いと感じたら、すぐに区切りや仕切り板を使って分けてください。

Q2:金属ケージのほうが安心に感じますが、ソフトケージでも問題ありませんか?
避難所への持ち込みと素早い設置を考えると、軽くて畳めるソフトケージが運用しやすくなります。
長期滞在やパワフルな子には金属製の安心感が役立ちますが、重量と設置の手間が大きくなります。
移動手段や滞在期間に合わせて選んでください。

Q3:避難所にケージを持ち込んでも断られませんか?
多くの自治体は「同行避難」を前提に運用を整えていますが、ケージは飼い主の持ち込みが原則です。
持ち込み時は、受付で係員に一声かけ、ペットエリアや指定場所の案内に従ってください。
毛が舞わないように目隠しを部分的にかけ、清掃と臭気対策をこまめに行えば、周囲とも気持ちよく共存できます。

Q4:サイズはどのくらいを目安に選べばよいですか?
猫が立ち上がって向きを変え、横になって伸びられる広さを確保してください。
最小限で考えると、短辺45cm前後、長辺60cm前後がひとつの目安になります。
トイレを同居させる場合は、長辺がもう一段長いモデルを検討するとレイアウトしやすくなります。

Q5:天面開きがないモデルでは、どうやってお世話をすればよいですか?
側面の大きな開口をロールアップして、静かに短時間で作業を終えるように心がけてください。
布で周囲の視界を少し遮ると落ち着きやすくなります。
抱き上げるときは体の横側から両腕で包み、出口をしっかり確保してから移動すると安全に扱えます。

Q6:鳴きが続いたり、ストレスが強そうに見えるときはどうすればよいですか?
目隠し用の布を一枚増やし、通路から少し離れた場所にレイアウトを移してください。
いつも使っているタオルやベッドを入れると安心しやすくなります。
給水や排泄が滞る場合は早めに係員に相談し、静かな時間帯に短いケアをこまめに行ってください。

まとめ:基準は「軽さ×置きやすさ×お世話のしやすさ」で考えましょう

避難所に持ち込むケージは、移動手段と設置スペースを最初に想像して選ぶと失敗しにくくなります。
徒歩で運ぶ可能性があるなら、猫壱やアイリスMのように軽くて畳みやすいタイプを優先してください。
車での移動が中心なら、リッチェル640のように多機能で安定感のあるタイプが扱いやすく感じられます。
設置後のケアを快適にしたいと考えるなら、天面開口が広いPEPPYは日々のお世話を短時間で済ませやすくなります。

どのモデルを選ぶ場合でも、家で一度広げて名前ラベルの貼付・目隠し布のサイズ合わせ・最小トイレのレイアウトまで試しておくと、本番で慌てずに設置できます。
非常用リュックには、消臭袋・除菌シート・ペットシーツ・カラビナも一緒に入れておくと安心して動けます。
関連記事(例:「軽量キャリーの選び方」「猫トイレの非常用セット」)も合わせて確認し、わが家の避難計画に落とし込んでおきましょう。

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  • この記事を書いた人

まぬるん

猫歴40年、元警察官。ミニマリスト。キャット検定:博士。 これまで20匹以上の猫と暮らし、防災の知識と経験を活かして、 「愛猫と離れ離れにならないための備え」を発信しています。 現在は保護猫2匹と暮らしています。

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