猫の防災グッズは軽いが正解|避難バッグ重さ早見表

「自分の荷物と猫と猫の荷物って持てるのかな…」と不安に思う方へ、猫の防災グッズは「軽さ」がとても大事です。
本記事は、猫の防災グッズを軽い構成にするために、合計何kgが現実的かを先に提示し、1匹/2匹の早見表置き換えのコツをシンプルに整理しました。
前提は5日分の用意(携行2日+家や車で追加3日)。
環境省ガイドラインもフードと水は少なくとも5日分(できれば7日分以上)を推奨しています。
“軽い=行動力”ですので、軽ければ命が助かる可能性もグンと高くなります。
あなたの家の実測で微調整しながら、最小の荷物で最大の安心をつくりましょう。

猫の避難バッグは何kgが目安?

まずは結論から。1匹なら約5kg前後、2匹なら6〜8kg台を目安にすれば、現実的に運べる重さに収まります(いずれも猫の体重は含まず)。

ここで疑問になるのが「環境省のガイドラインではペット用のフードや水を少なくとも5日分用意とあるのに、なぜバッグには2日分しか入れないのか?」という点です。理由はシンプルで、全部を一人で背負うのは不可能だからです。

猫1匹でも、体重4〜5kgにキャリーを足し、さらに水や砂を5日分詰めれば10kgを超えてしまいます。
災害が起きた状況で、階段を降りたり人混みを抜けたりすることを考えると、飼い主1人で背負える限界を超えてしまうのです。
避難時は「猫と一緒に走れる重さ」でなければ安全とはいえません。

そのため現実的な運用としては:

  • 持ち出しは初動2日分(避難開始から避難所での受け入れが落ち着くまでの最低限)
  • 残り3日分は自宅や車で備蓄(あとで取りに戻る、あるいは在宅避難時に使えるストック)

備蓄は玄関に置いておくと良いでしょう。
玄関は柱や壁が多く、比較的頑丈に作られているからです。

このように持ち出しを2日分にすれば、バッグは1匹で約3.6〜3.8kg、2匹でも約6.0kg前後に抑えられます。
これなら肩や腰にかけても現実的に運べる範囲ですし、ガイドラインの「5日分を備蓄」という条件も満たせます。

さらに家族が一緒に避難できる場合は、荷物を分散する工夫が可能です。
例えば:

  • 親がキャリーを担当し、子どもがフードと水を少量ずつ持つ
  • 1人は猫のケア用品、もう1人は衛生品や寝具を持つ

こうすれば1人当たりの負担は軽くなり、持ち出し量を5日分に増やすことも可能になります。
大人の人数が多いほど「走れる重さ」を保ったまま荷物を補強できるので、家族構成に合わせて調整してください。

つまり「2日分にしているのは手抜きではなく、1人で持ちきれない分を備蓄や家族で分担するため」なのです。

大事なのは人と猫の「命」ですので、持てる量と行動できる軽さを見極めましょう。

標準セットの“重さ分解”早見表(2日分の持ち出し量)

数値は目安。メーカー差もあります。

標準セットの“重さ分解”早見表(携行=2日分)

アイテム一般版目安軽量版目安メモ
キャリー2.6kg(ハード)1.2kg(ソフト)上開き+肩掛け可が楽
トイレ1.2kg(ハード)0.25kg(折りたたみ)ソフト+折りたたみ
猫砂(持出)2.0kg(鉱物)0.6kg(紙/木系)小分けで運用
水(持出/匹)0.6kg0.6kg追加は家/車で
フード(48h/匹)0.2kg0.2kg小袋化が衛生的
食器0.2kg0.1kg(折りたたみ)シリコン製
ブランケット0.4kg0.3kg目隠し兼用
衛生・袋類ほか0.55kg0.36kgミニサイズ中心
合計(1匹・携行2日)7.75kg3.61kg削減幅 −4.14kg
合計(2匹・携行2日)12.5kg5.9kg削減幅 −6.6kg

注記(2匹計算の前提)

  • キャリーは×2、トイレは共用
  • 砂は軽量版のみやや増量(0.8kg)想定。
  • 水・フードは×2。食器・ブランケットは複数対応相当(やや増)。
  • 「衛生・袋類ほか」は2匹で少し増量

※表は携行=初動2日分残り3日分は家/車で回転備蓄して合計5日分を確保してください。

今日からできる軽量化のコツ

  • 大物から替えると一気に軽くなります。
  • キャリーはハード2.6kg→ソフト約1.2kgへ。上開き+肩/胸ストラップ対応が歩きやすい。
  • トイレはハードタイプの1.2kg→折りたたみ約0.25kg。あらかじめビニール袋を敷いて掃除も軽量化。
  • 砂は鉱物2.0kg→紙/木系0.6〜0.8kgに。1回分ずつ小分けで管理を簡単に。固まるタイプの砂が基本。
  • 水は1匹で1日約300ml。追加の水は家や車に保管(劣化対策で定期交換)。
  • 寝具は軽量フリースを圧縮、食器は折りたたみできるシリコン製が◎。
  • 2匹以上は共用化がカギ。トイレ一式・衛生・袋は1箱化して重複を避ける。
  • 書類はスマホ+防水カード1枚に集約、洗濯ネット(約50g)は保定・目隠しに万能。
  • 仕上げは試し背負いで階段1往復してみましょう。
  • 重いと感じたら砂→寝具→その他の順に削ると失敗しません。

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状況別ミニマム構成(徒歩/車/在宅)

徒歩:スピード最優先。前=ソフトキャリー、背中=リュックで両手フリー。携行は2日分固定(上の表どおり)。体幹で固定すれば3〜5kg台でも歩きやすくなります。
:継続性を上乗せ。追い水・追い砂・シーツを多めに。高温劣化しやすい物は定期交換。徒歩へ切り替える可能性に備え、“徒歩ミニマム袋”を独立させておく。
在宅5日分を回転備蓄。玄関に“1分で掴める携行セット”、居室に交換在庫、車に余裕枠。持ち出し=初動2日/家=追加3日で役割分担すると、軽さと安心が両立します。

まとめ

5日分は“用意”、背負うのは2日分。重さのボトルネックはキャリー・トイレ・砂・水。ここを軽量化すれば、1匹=約3.6〜3.8kg/2匹=約6.0kgの携行ラインに収まります。あとは家と車に追加3日分を持たせて回転備蓄。季節の前に試し背負いで見直し、あなたの“実測”で表をアップデートしていきましょう。ガイドラインはフードと水は少なくとも5日分を推奨しています(できれば7日分以上)。

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  • この記事を書いた人

まぬるん

猫歴40年、元警察官。ミニマリスト。キャット検定:博士。 これまで20匹以上の猫と暮らし、防災の知識と経験を活かして、 「愛猫と離れ離れにならないための備え」を発信しています。 現在は保護猫2匹と暮らしています。

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